ビジネスで要求される折衝力について解説します。
本記事の内容は、6年半の間プログラマー(Linuxアプリケーション開発)として働いてきた私が経験したことや上司から教わったことに基づいています。
ビジネスで要求される折衝力とは
折衝力とは、相手が自分に求める要求と自分が相手に求める要求に差異がある場合、お互いの要求が一致する落とし所を見つける(折り合いをつける)能力です。
お互いの要求が一致しない場合は、どちらかが譲歩するか、よりよい要求の案を見つけ出す必要があります。
折衝力を身につけるためには、次のスキルを身につけておく必要があります。
- 相手の要求を正しく理解すること
- できるだけ多くの折衝案を考え出すこと
- 折衝案を柔らかく提案すること
順番に見ていきましょう。
①相手の要求を正しく理解すること
相手が何を求めるのかを正しく理解する必要があります。
「聴く力」と言い換えることもできます。
相手の要求を理解するためには、その分野についての幅広い知識が必要であるため、日々勉強をしておき折衝に備えておかなければなりません。
そして、相手の要求を飲み込めない場合、相手に対して自分が希望する要求(折衝案)を提示する必要があります。
例として、自分がプログラマー対してソフトウェア開発の見積もりを依頼する場合を考えてみます。
もし、自分がプログラミングについて詳しくなければ、プログラマーからとんでもなく大きな見積もり金額を要求されても、反論できないままその見積もりを飲み込んでしまうことになります。
一方、相手の分野(プログラミング)について詳しければ、とんでもなく大きな見積もりを出されてもおかしいところが指摘でき、折衝も有利に進めることができます。
②できるだけ多くの折衝案を考え出すこと
相手の要求を正しく理解できれば、あとは自分が求める折衝案を提示していけばよいです。
相手のお客様と長く付き合っていく必要があればあるほど、お互いWin-Winになる折衝案を考え出すことがベストです。
そのためには、できるだけ多くの折衝案を見つけることから始めましょう。
そして、複数考え出した折衝案の中で、お互いWin-Winになる折衝案を何点かリストアップしておき、お客様との折衝に望めばよいです。
③折衝案を柔らかく提案すること
相手の要求を正しく理解でき、折衝案も考え出すことができれば、あとは自分・相手にとって一番メリットがあると思う折衝案を提示すればよいです。
コツとしては、とげがでないように柔らかく折衝案を提案することです。
例えば、ソフトウェア開発の見積もりで揉めた時は以下のように「複数の折衝案を提案」して「自分の希望」を伝えればよいでしょう。
ソフトウェア開発の工数を見積もったところ、お客様希望の期限(システム試験開始日)に間に合いません。
しかし、下記【対策案】の(1)の対応でよければ期限に間に合います。
この対策で進める方針で問題ないか確認いただき、結果の連絡をお願いします。
【対策案】
(1)ヘルプで開発メンバーを●●人追加していただければ、システム試験実施日までにソフトウェアが完成します。
(2)ソフトウェア設計書作成を後回しにし、ソースコード作成、単体試験書作成・試験実施だけでよければ、システム試験実施日までにソフトウェアが完成します。
(3)流用性を考慮しないソフトウェア設計(他の設計・ソースコードをコピぺ)でよければ、システム試験実施日までにソフトウェアが完成します。
【ソフトウェア開発成果物】
ソフトウェア設計書、ソースコード、単体試験設計書/実施成績書
仮に、自分の折衝案が却下されて相手から折衝案が提示された場合は、再度「①相手の要求を正しく理解すること」から同じことを繰り返せばよいです。
まとめ
ビジネスで要求される折衝力について解説しました。
折衝力は一朝一夕では身につきません。
なぜなら、相手の要求を理解できるだけの幅広い知識・経験が必要なためです。
知識・経験をつけていく中で、折衝力も身につけていきましょう。