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二次請け独立系SIerに就職する際に知っておきたい3つのデメリットと見極め方

2020年5月18日

二次請け独立系SIerに就職する際に知っておきたいポイント

「独立系SIerの内定をもらったけど、本当にここでいいんだろうか?」

そう悩んでいる就活生や転職検討中のエンジニアは多いと思います。独立系SIerは間口が広く、未経験からでも採用されやすい一方で、入社する会社の商流のポジションによって、その後のキャリアの伸び方が大きく変わることがあります。

この記事では、特に二次請けポジションが中心の独立系SIerに就職する際に、事前に知っておくと判断材料になる3つのデメリットと、入社前にチェックしておきたい見極め方を、私自身の業界経験を踏まえて整理します。

なお、二次請けで現在働いている方を否定する意図はまったくありません。個人のスキルや努力ではなく、業界の商流構造の話としてお読みください。

結論: 二次請け独立系SIerに就職する際に知っておきたい3つのデメリット

最初に結論からお伝えします。二次請けポジションが中心の独立系SIerに長期的に居続ける場合、次の3つの構造的なデメリットがあります。

ポイント

  1. 身につくスキルの種類が偏りやすい
  2. 上流工程(要件定義・基本設計)に関わる機会が少なくなりやすい
  3. 商流が深いほど、エンジニア個人に届く単価が低くなりやすい

これらはあくまで商流の構造による傾向であって、二次請けで働く人個人のスキルや能力の問題ではありません。実際、二次請けポジションで高いスキルを持ったエンジニアの方もたくさんいます。

大事なのは、就職前に「自分が入ろうとしている会社は商流のどこにいるのか」を理解したうえで、納得して選ぶことです。

 

そもそも一次請けと二次請けの違い

まず用語を整理します。

  • 一次請け … メーカーや事業会社から直接ソフトウェア開発案件を受注する立場
  • 二次請け … 一次請け(多くはメーカーのグループ系列ソフトウェア会社)から発注された案件を受ける立場
  • 三次請け以降 … さらに二次請けから流れてきた案件を受ける立場(SES契約・派遣契約が多い)

メーカーから直接案件を取れる一次請けの独立系SIerであれば、要件定義・上流設計から関われる機会も比較的多くなります。一方で、二次請け以降になると、すでに仕様が固まった状態の下流工程(コーディング・テスト・保守)が中心になる傾向があります。

なお、親会社を持たない独立系SIerが一次請けとしてメーカーから仕事を直接取るには、長年にわたる信頼構築が必要です。そのため独立系SIerは構造的に二次請け案件に携わる割合が高くなりがちな業界です。

 

3つのデメリットを詳しく

それぞれのデメリットを詳しく解説します。

①身につくスキルの種類が偏りやすい

二次請けに回ってくる仕事には、業界構造上の傾向があります。

  • テスト工程(動作確認試験・回帰試験)
  • レガシーシステムの保守・運用
  • 一次請け正社員の手が回らない部分のコーディング
  • 急な人手不足の穴埋め

理由はシンプルで、一次請け側にとって「単価が高い自社員にやらせるよりも、外に出したほうが費用対効果が高い仕事」が二次請けに流れやすい構造があるからです。

その結果、二次請けポジションでは、要件定義・アーキテクチャ設計・顧客折衝といった上流寄りのスキルを実務として積む機会が、相対的に少なくなる傾向があります。もちろん会社や案件によっては上流工程に関われるケースもありますが、「構造的に少なくなりやすい」ということは知っておいたほうが、就職判断のときに役立ちます。

②上流工程(要件定義・基本設計)に関わる機会が少なくなりやすい

要件定義や基本設計といった上流工程は、発注元(メーカー)や一次請けが握っていることが多いです。二次請けの立場では、すでに固まった仕様書を受け取って実装・テストに入る流れになりやすいです。

これがなぜキャリアにとって意識したいポイントかというと、「何を作るべきか」を顧客と一緒に決められる力は、年数を重ねるほど評価が上がりやすい領域だからです。詳しくは関連記事(客先常駐プログラマーが身につけにくい4つのスキルと、その補い方)で論じていますが、上流工程に触れる機会が少ない働き方を長く続けると、ベテランになってからのキャリアの選択肢が狭まりやすい傾向があります。

ただし、これも会社次第です。二次請けでも上流工程に関わらせてくれる企業もあるので、就職前に確認できると安心です。

③商流が深いほど、エンジニア個人に届く単価が低くなりやすい

受発注の構造上、商流が深くなるほどマージンが抜かれ、エンジニア個人の単価に反映されにくくなります。

  • 一次請け会社員 … メーカー直接受注の高単価案件に乗りやすい
  • 二次請け会社員 … 一次請けがマージンを抜いた後の単価で働く
  • 三次請け以降 … さらにマージンが薄くなる

これは個人のスキルとは独立した話で、どれだけ優秀でも、商流の上流にいる会社のマージン構造が変わらない限り、給与の天井に影響が出やすいです。逆に言うと、給与を上げたい場合は、商流の上流の会社に転職するか、自社内で評価を上げて単価交渉できるポジションを目指す、という選択肢になります。

 

独立系SIerにも独自の良さがある

ここまでデメリットを書きましたが、独立系SIer全体を否定するつもりはありません。独立系SIerにしかない良さもあります。

  • さまざまなメーカー・業界のプロジェクトを横断的に経験できる
  • 大手メーカー系列に縛られない自由度がある
  • 一次請け案件を取れている独立系であれば、上流工程にも関わりやすい
  • キャリアの初期に幅広い業界知識を積む場として有用

特に一次請けの独立系SIerであれば、メーカー直接の案件で要件定義から関わるチャンスがあり、希少価値の高い人材に育つ環境があります。

問題は「独立系SIerかどうか」ではなく、「商流のどこにいるか」「どんな工程に関わらせてもらえるか」です。

 

就職前に確認したい、二次請け独立系SIerの見極め方

ここまでの話を踏まえて、就職・転職活動中に確認できると判断材料になるポイントを整理します。

ポイント

  1. 主要取引先がメーカー直か、それともグループ系列ソフトウェア会社か
  2. 新人・若手にも上流工程の経験を積ませる育成方針があるか
  3. 過去5年で社員の平均年収がどう推移しているか
  4. 離職率と平均勤続年数
  5. 自社開発・自社サービスを持っているか(請負以外の収益源があるか)

それぞれ少し補足します。

①主要取引先がメーカー直か

会社説明会や面接で「主要顧客はどんな会社か」を聞くと、商流のポジションが見えやすくなります。「○○電機さんの△△事業部に常駐」のような答え方であれば、その先(発注元)が誰かを確認すると、商流の深さがわかります。

②若手にも上流工程を経験させる方針があるか

「新人は最初の3年は試験工程からスタート」のような会社もあれば、「2年目から要件定義に同席させる」という会社もあります。育成方針は確認しておきたいポイントです。

③社員の平均年収の推移

平均年収が長年横ばいの会社は、商流の構造上、給与を上げにくい仕組みになっている可能性があります。

④離職率と平均勤続年数

極端に離職率が高い会社は、何らかの労働環境の問題を抱えていることが多いです。OpenWorkや転職会議などの口コミサイトも参考になります。

⑤自社開発・自社サービスを持っているか

請負一本ではなく自社サービスも持っている会社は、商流に依存しない収益源があるため、安定性とエンジニアの裁量が比較的高めです。

 

すでに二次請け独立系SIerで働いている場合の選択肢

すでに二次請け独立系SIerで働いていて、「このままでいいのか」と感じている方向けの現実的な選択肢を整理します。

ポイント

  1. 現職にいる間に、上流工程やドメイン知識に触れる機会を意識的に取りに行く
  2. 転職エージェントに登録して、自分の市場価値を客観的に把握する
  3. 自社開発企業・受託開発の一次請け企業・事業会社を候補として情報収集する

最初のステップは、必ずしも転職である必要はありません。現職の中でも、要件定義の議事録を読ませてもらう、レビュー会に参加させてもらうなど、できることはあります。それでも環境的に難しい場合に、転職を選択肢として検討するという順番が現実的です。

転職を考える場合も、いきなり辞めるのではなく、市場での自分の評価を知ることから始めると、判断材料が増えます。エージェントに登録すれば、スキルセットがどう評価されるかが見えてくるので、現職に残る判断にも、転職時の交渉にも使えます。

なお、転職先の候補と、それぞれの良さ・厳しさについては、下記のシリーズ記事もあわせてどうぞ。

 

まとめ

二次請け独立系SIerに就職する際に知っておきたいデメリットは、下記の3つです。

  • 身につくスキルの種類が偏りやすい
  • 上流工程(要件定義・基本設計)に関わる機会が少なくなりやすい
  • 商流が深いほど、エンジニア個人に届く単価が低くなりやすい

ただしこれは、個人のスキルや努力の問題ではなく、業界の商流構造による傾向です。二次請けで働いている方を否定する話ではありません。

大事なのは、就職・転職前に「自分が入ろうとしている会社は商流のどこにいて、どんな工程に関われるのか」を理解しておくこと。そして、すでに働いている方は、現職の中でできることを探しつつ、必要に応じて選択肢を広げる準備をしておくことです。

IT業界は会社による差が大きい業界です。周りの噂や知名度だけで判断せず、自分の目で確認したうえで納得のいく選択をしてみてください。

 

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