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論理的思考(ロジカルシンキング)の種類について【演繹法・枚挙型帰納法・アナロジー・アブダクション】

考える人

  • 論理的思考にはどのような種類があるのだろう?

今回は、論理的思考(ロジカルシンキング)の種類について解説します。

論理的思考(ロジカルシンキング)の種類

論理的思考の種類は以下に分類されます。

  1. 演繹法
  2. 枚挙型帰納法
  3. アナロジー(類推)
  4. アブダクション(仮説形成)

論理的思考方法の種類

出典:Wikipedia

①演繹法

演繹法とは、一般化されたルール(法律など)や法則(万有引力の法則など)を元に、個別の事例(事故の加害者に対する罰則など)の結論を導き出す方法です。

  • 前提1:企業秘密(A)は会社の外で話してはならない(B)。
  • 前提2:新しいビジネス案は企業秘密(A)である。
  • 結論:新しいビジネス案は会社の外で話してはならない(B)。

一般化されたルールや法則を元に結論を出すため、結論が早く導き出せます。

②枚挙型帰納法

発生した個別の事例に基づき、すべての事例に当てはまる一般化されたルールや法則を導き出す方法です。

  • 前提1:「新しいビジネス案(a1)」が競合他社に漏れたことで事業に失敗した(P)。
  • 前提2:「お客様との商談内容(a2)」が競合他社に漏れたことで事業に失敗した(P)。
  • 結論:(たぶん)「自社の事業内容(a)」が競合他社に漏れると事業に失敗する(P)。

枚挙型帰納法で出した結論は、完全な真実とはなりません。

なぜなら、前提となる事例に誤りや漏れがある場合、結論が変わる可能性があるからです。

無制限の一般化と言い換えられるように、個別の事例が多ければ多いほど結論の信頼度が高くなります。

例えば、「すべての人間は二足歩行である」という法則を導き出す際の前提が

  • 🔺:「10人の人間は二足歩行だった」

よりも

  • ⭕️:「これまで発見した全ての人間は二足歩行だった」

の方が、この法則が正確である可能性が高いのです。

③アナロジー(類推)

「ある個別の事例」の内容が「他の個別の事例」に似ている場合、「ある個別の事例」を「他の個別の事例」に紐づく一般化されたルールや法則に当てはめる推論方法です。

  • 前提1:「新しいビジネス案(a)」は企業秘密である(P)。
  • 前提2:「お客様との商談内容(b)」は「新しいビジネス案(a)」に似ている。
  • 結論:(たぶん)「お客様との商談内容(b)」は企業秘密である(P)。

実際に「ある個別の事例」が発生していなくても結論を導き出せるため、無駄な思考を最小限に食い止める効果が期待できます。

④アブダクション(仮説形成)

個別の事例が発生した原因について、最もらしく説明できる仮説を導き出す方法です。

  • 前提1:「自社が始めようとしていた新ビジネスを競合他社が先に始めていた(a)」。
  • 前提2:「自社の新ビジネス案が競合他社に漏れた(H)」と仮定すると、「自社が始めようとしていた新ビジネスを競合他社が先に始めていた(a)」ことがうまく説明できる。
  • 結論:(たぶん)「自社の新ビジネス案が競合他社に漏れた(H)」。

たとえば、原因不明のトラブルが発生した際、原因をある程度推定して調査項目を最小限に減らす場合に有効です。

論理的思考(ロジカルシンキング)分析の応用例

たとえば、企業秘密保護ルールの成立過程や適用手順は、次のようになります。

【アブダクション(仮説形成)のフェーズ】

お菓子メーカーである自社は、1年前から構想していたお菓子の新製品開発を始めようとしていた。

そのお菓子は「文房具(消しゴムや鉛筆など)の形をしたグミ」であり、誰も思いついていない製品だろうと考えていた。

しかし、製品開発を始めた矢先、「文房具の形をしたグミ」を競合他社が商品化しようとしていることが判明した。

そこで、「1年前から構想していたお菓子の新製品開発」の計画が競合他社に漏れたのではないか、という仮説を立てた。(アブダクション)

【枚挙型帰納法のフェーズ】

すると、一年前の飲み会で、自社の社員が競合他社の仲の良い営業担当に「文房具の形をしたグミ」の新製品開発戦略を自慢していたことが判明した。

また、競合他社の営業が「一年前の飲み会での話を参考にさせてもらいました」と話していることもわかった。

その後、競合他社が先に「文房具の形をしたグミ」を人気商品化することに成功し、市場でのデファクトスタンダードをとったため、事業撤退を余儀なくされた。

その他の例においても、お客様との商談内容を自社のSNSに流出してしまったことでお客様が激怒し、商談が破談してしまった経験もあった。

これらの失敗を元に、「自社の事業内容が競合他社に漏れると事業に失敗する」という結論を出した。(枚挙型帰納法)

そして、自社の事業内容が競合他社に漏れないよう、以下を企業秘密と定義し、「企業秘密は会社の外で話してはならない」というルールを作った。

  • 新製品に関する情報
  • お客様との商談内容

【アナロジー(類推)のフェーズ】

ある日社員から、以下の情報に関しても競合他社に漏れると事業で失敗する可能性があるのではないかと問題提起があった。

  • 知的財産:既存製品のガムの製造方法など
  • 人事情報:求職者に求めるスキルや経験など

このため、提起された上記の情報も企業秘密の対象とし、会社の外で話してはならないこととした。(アナロジー)

【演繹法のフェーズ】

数年後、新入社員が入ってきた。

その新入社員は「新しく開発中のポテトチップスの製造方法がかなりレアな情報なので、自分のSNSに載せたら読者が増えるかなぁ」と考えていた。

しかし、本当に載せてもよいかわからなかったので、上司に「ポテトチップスの製造方法を自分のSNSに載せてよいか」を確認した。

すると、上司から「新製品に関する情報は企業秘密であり、企業秘密は会社の外で話してはならないというルールがあるので、SNSに書くのはダメです」と言われた。(演繹法)

この手順により、自社の新製品開発に関する情報が競合他社に漏れず、過去に経験した同じ失敗を繰り返さずに済んだ。

問題解決のために論理的思考を使いたい場合

上述の応用例のように、発生した事象に対して論理的思考で分析することはある程度簡単です。

しかし、ビジネスなどで「目の前で発生している問題をどのように解決するのが最善か」という問題に直面すると、論理的な結論を素早く出すことが途端に難しくなります。

この問題の解決策として、論理的思考により結論を出す方法について以下の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

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まとめ

今回は、論理的思考(ロジカルシンキング)の種類について解説しました。

さまざまな論理的思考法を覚えていれば、自分の日々の行動がどれくらい論理的であったかを分析できます。

今回紹介した論理的思考法を、仕事の失敗の分析などに利用してみましょう。

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