- 水を飲むことで集中力は高まるのだろうか?
- どれくらいの水を飲めばいいのだろうか?
今回は、1日5リットル以上飲みながら仕事をしていた私が、集中力を高めるために必要な「水を飲むペース・量」を解説します。
集中力を高めるために必要な「水を飲むペース・量」
イギリスの大学の研究結果に基づけば、水をこまめに飲み、喉の渇きを感じない状態を作れば集中力が増すと言えます。
よって、喉が乾かない程度に水を継続的に飲めばよいでしょう。
水を飲むペース・量
- 喉が乾かない状態を継続できるペース(間隔)で飲む
- 「あまりトイレに行かなくてもよい」くらいの量を飲む
イギリスの大学の研究結果
イギリスの大学の研究結果『Subjective thirst moderates changes in speed of responding associated with water consumption』を紹介します。
手順をざっくり説明すると、34人の参加者に対して、1週間おきに次の2つをテストしてもらいました。
水を飲んでからテスト(Water)
- テスト前日の21時から水と食事を摂らないようにする
- テスト当日、シリアルバーと十分な水(平均775.44 ml)を摂ってもらう
- 約1時間、参加者の気分と認知能力の測定テストを行う
水を飲まずにテスト(No water)
- テスト前日の21時から水と食事を摂らないようにする
- テスト当日、シリアルバーだけを摂ってもらう
- 約1時間、参加者の気分と認知能力の測定テストを行う
さらに、"水を飲まずにテスト" した際に「どのくらい喉が渇いていますか?」という質問をして参加者の主観的な喉の渇きを数量的に把握し、中央値分割により「喉の渇きをより感じているグループ(Thirsty)」「喉の渇きを感じにくいグループ(Not thirsty)」に分けました。
その結果、刺激に対する反応時間の速さを測定するテスト(SRT)においては、下図のとおり「主観的な喉の渇きをより感じやすく、水も飲んでいない人」の反応時間が一番遅かったです。
(右上のThirsty・No waterのグループ)
出典:frontiers
また、以下のグループに属する人の反応時間はほぼ同じでした。
反応時間がほぼ同じである人
- 喉の渇きを感じにくく、水を飲んだ人(Not thirsty・Water)
- 喉の渇きを感じにくく、水を飲まない人(Not thirsty・No water)
- 喉の渇きを感じやすく、水を飲んだ人(Thirsty・Water)
SRTとは
Simple Reaction Time(SRT)とは、既知の場所・刺激に対する参加者の反応時間を測定するテストです。
画面に正方形が表示された後、参加者は利き手を使ってできるだけ早くボタンを押し、正方形が表示されてからボタンが押されるまでの時間を計測します。
この結果は、「喉が乾いている!」という主観的な感覚が脳の中央処理リソースを消費し、認知プロセスを高速で実行できなくなった可能性があることを示しています。
集中力が出ない理由
- ❌:水を十分に飲んでいないから
- ⭕️:喉が乾いていると”感じて”気が散るから
よって、喉の渇きを感じていない状態を作れば、集中力が増すと言えます。
なお、水を飲むことで全ての認知能力が高まるかどうかについてはよくわかりません。
Intra-Extra Dimensional Set Shift(IED)という「注意の維持と柔軟性」を測定するテストでは、以下の通り、むしろ水を飲んでいない人の方がスコアが高かったです。
出典:frontiers
重要なポイント
水は飲み過ぎるのではなく、喉の渇きを抑えるためにこまめに水分補給をすることが重要です。
- ❌:水をできるだけたくさん飲む
- ⭕️:喉が乾かない程度に水を飲み、気が散らないようにする
水を飲みすぎると、以下のようなデメリットもあるので、飲む量は程々にしましょう。
- トイレが近くなり、作業時間が減る
- 一気に飲むと低ナトリウム血症になる恐れがある
体験談
私がプログラマー時代の頃は、飲む時間を分散しながら1日最低5リットルの水(お茶やジュースなど)を飲んでいました。
なぜなら、水を飲まないと明らかに頭の回転が悪くなり、頭痛がして集中力がなくなったからです。
仕事が忙しくなればなるほど、より多くの水を飲むようになっていました。
そして、水を飲むことで明らかに作業効率は上がっていました。
ただ、前述したイギリスの大学の研究結果に基づけば、水の飲む量は関係なく、「喉が渇いていない状態」を作れれば集中力は高まるとのことなので、1日5リットル以上も飲む必要はなかったのかもしれません。
まとめ
集中力を高めるための水を飲むペース・量について解説しました。
水を飲むペース・量は以下にすれば問題ないでしょう。
水を飲むペース・量
- 喉が乾かない状態を継続できる間隔で飲む
- 「あまりトイレに行かなくてもよい」くらいの量を飲む